2009年2月22日日曜日

心経 自性

このように わたしは聞いた

自性

(照見)
五蘊皆空   一切すべてはみな空である
五蘊自性皆空 一切すべての本性はみな空である

  舎利子
  色性是空 空性是色
  色不異空 空不異色
  色即是空 空即是色
  受想行識亦復如是

この部分で空について説明しています

五蘊皆空の方法では
空をもって色が空であると説くことになります

五蘊自性皆空の方法では
色の本性を説くことで空を説くことになります

これが和訳と解説における訳の違いを生じさせました
和訳では説き方が顚倒して空が何かを説けていません

色性是空の性は自性の性です
性とはそのものが本来備えている真の性質又は本性です
形有るものの本性はいずれ形を失うものということです

色不異空の不異は八不の不一不異の不異です
不異とは各々が異なった個我の存在ではないということです
色の各々が相依相関関係によってはじめて存在することです

色即是空の即は生死即涅槃の即です
即とはそのままで又はそのままの存在のことです
色はただ自ずと在るだけであり無自性な存在です


  色は本性にしてこれ空なり 空とはこの色の本性なり
  色は不異にしてこれ空なり 空とはこの色の不異なり
  色は即ちにしてこれ空なり 空とはこの色の即ちなり

物質
恒常に存在することはないこれを空と言います
空とは物質存在の本性が無常であることを言うのです
物資は相依に依ってのみ存在するこれを空と言います
空とは物質存在の本性が無我であることを言うのです
物質はただ無自性に依り存在するこれを空と言います
空とは物質存在の本性が涅槃であることを言うのです



後句の色と空は前句の色と空を向上させた色と空です
下段の色と空は上段の色と空を向上させた色と空です


自性が方法または道しるべの役割を持っていたのです
色の本性を見抜くことで空を照らし出してゆくのです

五蘊の自性を見つめ皆空を照せり

照見五蘊自性皆空についての詩句