2011年5月30日月曜日

犀の角


このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第一 蛇の章

あらゆる生きものに対し暴力を加えることなくただ独り歩め
あらゆる生きもののいずれをも悩ますことなくただ独り歩め
子を欲するなかれ況んや朋友を欲することなくただ独り歩め
覚りを求めるものは犀の角が一つであるようにただ独り歩め

音声に驚かない獅子のようにただ独り歩め
網に捕えられない風のようにただ独り歩め
水に汚されない蓮華のようにただ独り歩め
一つしかない犀の角のようにただ独り歩め

犀の角についての詩句

ダニヤ

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第一 蛇の章

人間の執着するもとのものは喜びである
執着するもとのもののない人は実に喜ぶことがない

実に人間の憂いは執着するもとのものである
執着するもとのもののない人は憂うることがない

ダニヤについての詩句


このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第一 蛇の章

怒りは蛇の毒が身体のすみずみにひろがるようにして起り
愛欲は池に生える蓮華のように根は水中へと繋がっている
妄執は奔り流れる水流のように涸れる事も尽きる事もなく
驕慢は激流に架かる葦の橋のように弱々しくこわれやすい

どこを探しても堅固なもの常なるものは元からありません
我について願望をいだいても我がものは一つもありません
想念がすべて消え去さるとこころの内は静まっていきます

すべての妄想をのり超えることが中道へ到ることなのです
中道によって世間における一切のものは虚妄となるのです
中道に到ると貪愛欲憎悪迷妄を離れることができるのです

悪根と煩悩と妄執から生ずるものが蓋と苦悩の矢なのです
これらを捨て悩みなく疑惑を超えこれを抜き去ることとは
たとえば蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなもなのです
この世とかかの世だとかとの想いも消え去ってしまいます

蛇についての詩句

2011年4月21日木曜日

サーリプッタ

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

かれは適当な時に理法を正しく考察し心を統一して暗黒を滅ぼせ

詩句として

武器を執ること

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

聖者は自分が等しい者どものうちにいるとも言わないし劣った者のうちにいるとも勝れた者のうちにいるとも言わない

詩句として

迅速

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

われは考えて有るという迷わせる不当な思惟の根本をすべて制止せよ

詩句として

並ぶ応答 ー 長篇

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

聖者は諸々の偏見を離脱して世の中に汚されることなく自分を責めることもない

詩句として

並ぶ応答 ー 小篇

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

一切の哲学的断定を捨てたならば人は世の中で確執を起こすことがない

詩句として

争闘

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

けだしひろがりの意識は想いにもとづいて起るからである

詩句として

死ぬよりも前に

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

依りかかることのない人は理法を知ってこだわることがないのである

詩句として

マーガンディヤ

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

わたくしはこのことを説くということがわたくしにはない

詩句として

パスーラ

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

論争が起っても汝と対論する者はここにいない

詩句として

ティッサ・メッテイア

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

俗事から離れて独り居ることを学べ

詩句として

2011年4月18日月曜日

老い

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

それ故に諸々の聖者は所有を捨てて行って安穏を見たのである

詩句として

最上についての八つの詩句

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

バラモンは戒律や道徳によって導かれることもない

詩句として

清浄についての八つの詩句

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

見解・伝承の学問・戒律・道徳・思想のうちのどれによっても清らかになるとは説かない

詩句として

2011年4月11日月曜日

悪意についての八つの詩句

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

自己の見解に対する執着を超越することは容易ではない

詩句として

洞窟についての八つの詩句

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

「わがもの」という思いを離れて行うべきである

詩句として

欲望

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第四 八つの詩句の章

人は常によく気をつけていて諸々の欲望を回避せよ

詩句として

2011年2月17日木曜日

学生ピンギヤの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生ピンギヤへの回答とは
そなたは見ているのだからそれ故にです

そなたは見ているのだからそれ故にとは
そなたは身をもって理法を見ているのだから
それをよりどころとして
妄執を捨て怠ることなくはげみなさいです

自灯明法灯明についての詩句

学生モーガラージャの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生モーガラージャへの回答とは
世界を空なりと観ぜよです

空なりと観ぜよとは
自我に固執する見解をうち破ることです
自我の無所有と無常をうち破ることです

空についての詩句

学生ポーサーラの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生ポーサーラへの回答とは
ありのままに知る智です

ありのままに知る智とは
我の存在するありさまを真理と知って
我がものはなにもないことを知って
我を望むことは執らわれであると知って

それをこのとうりであると知って
それから出て
それについてしずかに観ずることです

正見についての詩句

2011年2月13日日曜日

学生ウダヤの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生ウダヤへの回答とは
感覚的感受を喜ばないひとです

喜ばないとは
感受に対して妄想や思惑をいだかないことです
平静な心がまえでいて想念が広がらないように
気をるけることです

正道についての詩句

学生バドラーヴダの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生バドラーヴダへの回答とは
取る執着のある人々です

取る執着とは
死に対してこころが執らわれていることです
捨てるべき執着にかえって妄執しているのです

顛倒についての詩句


学生ジャトゥカンニンの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生ジャトゥカンニンへの回答とは
やすらかにふるまう人です

やすらかにふるまうとは
取捨する対象が何も存在しないからです
執着する対象が何も存在しないからです

見性についての詩句

2011年2月11日金曜日

学生カッパの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生カッパへの回答とは
悪魔に伏せられないです

なぜ伏せられないかというと
我がものであるというどんな所有もなく
我に執着して所得することがないのです
ここをよりどころとしているからです

よりどころについての詩句

学生トーデイヤの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生トーデイヤへの回答とは
願いのない人です

願いのないとは
何かを得ようと希望しないのです
何かに執着したはからいがないのです

求道についての詩句

学生ヘーマカの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生ヘーマカへの回答とは
常に安らぎに帰しているです

安らぎに帰すとは
この世において過去に対する欲望を除き去ることです
この世において未来に対する貪りを除き去ることです

現在世についての詩句

学生ナンダの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生ナンダへの回答とは
心に汚れのない人です

心の汚れとは
見解や学問や知識や戒律などです
これらもまた妄執の要素なのです

行道についての詩句

学生ウパシーヴァの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生ウパシーヴァへの回答とは
滅びてしまったものです

滅びてしまったとは
捕らえることができなくなった人です
論ずるにもそのよすががないのです

無我についての詩句

2011年2月10日木曜日

学生ドータカの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生ドータカへの回答とは
移りかわる生存です

移り変わる生存とは
それはすでにまのあたりにしている真理なのです
移り変わらないものなど何もありはしないのです

無常についての詩句

学生メッタグーの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生メッタグーへの回答とは
何ものをも所有せずです

所有しないとは
我がものとみなすことがないということです
我がものなどはどこにもないということです

無所有または無我についての詩句

学生プンナカの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生プンナカへの回答とは
望むことのない人です

何を望むこたがないのかと言うと
欲望を達成しようと望むことがないのです
貪り追い求めようとしないのです

無執無着についての詩句

2011年1月19日水曜日

学生ティッサ・メッテイヤの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生ティッサ・メッテイヤへの回答とは
究め諦めて、安らいに帰した修行者です

安らいに帰すとは
事物の根本を見極め明らかにすることにより
諸々の見解を離れ心が静まっていることです

中正の道または中道についての詩句

2011年1月18日火曜日

学生アジタの質問

このように わたしは聞いた

ブッダのことば - スッタニパータ -
第五 彼岸に至る道の章

学生アジタへの回答とは
よく気をつけ遍歴せよです

何によく気をつけて遍歴せよと言うのかというと
想いがひろがらないように気をつけよということです
想念を膨らまさないように気をつけよということです

無想無念ついての詩句